平成15年
校長のJCC日誌
4月



校長の甲斐切です。 どうぞよろしく。

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4月30日(水)

日本にいる姉からのメールで、日本がゴールデンウィークの真っ最中であることに気付く。本来ならバリやら プロウスリブやらの島にたくさんの日本人観光客が押し寄せるころなのに、先週末、今度はジャカルタ スカルノハッタ空港で爆弾事件があり、インドネシアの観光はすっかり低迷状態であるという。そんななか、 インドネシア政府は、国内の100の島を中東からの投資家に対して共同で観光などの開発をするため、 売り出すことにしたらしい。インドネシアの島の数は航空宇宙研究所の調査結果によると1万8千108島。 これらの緑多き美しい島々が、財政のために切り売りされていく。 今年で滞在11年目になるこの国の実情を、最近、本気で憂えるようになってきた。

4月28日(月)
あるインドネシア人教師はお給料が入ると一目散にVCDショップへと向かう。日本のテレビドラマのVCDを 買うためだ。香港あたりから入ってくるそのVCDは、インドネシア語の字幕などない。そのことに触れたら 彼女は口をとがらせて、「失礼しちゃうなぁ、先生! 日本語を聞きながら観てますよ」と言った。そして、 「私はVCDのおかげで日本語能力試験2級に合格したのです!」とつけ加えた。そういえば、彼女の2級合格の 成績は、聴解が抜群によかった。なるほど、なんと素晴らしいお給料の使い方だこと。

4月26日(土)
毎週土曜日には日本の母に電話をかけることになっている。昔はあんなに話しののみこみのよかった母が、 70をこえてからすっかり理解力が衰えてしまった。なにより、私の話すスピードが速すぎるという。 たぶん、母の世代の人たちにとっては意味不明な言葉も、知らず知らずのうちに使っているのだろう。 そんなことで最近は、母と話すときには日本語学習者と話すように、わかりやすくかみくだいてゆっくり 話すようにしている。そういえば、いつか老人の話し相手のボランティアをしたいと母が語ったのは、 もう20年も前のことになる。

4月23日(水)
雨季が明けたようなまだのような、不安定な天気が続いている。雨季は涼しくてしのぎやすいけど、雨で 外出ができなくなるからイヤだ―というのはインドネシア人学生たちの意見。じゃあ、雨が降らない乾季のほうが好き?  と尋ねたら、乾季は暑すぎて外出する気になれない―という返事がかえってきた。「南国」という言葉から感じられる、 のどかなイメージとはうらはらに、大変な日常生活があるのだろう。 いずれにしても、今年は去年のような大水害にみまわれなかったことに感謝したい。

4月22日(火)
ワープロ全盛期のころ、仕事の先輩に言われた。「ワープロのせいで日本人は漢字を使いすぎるようになった。 ひらがなばかりの文は読みづらいけど、漢字の多すぎる文もとっつきにくい」と。たしかに売れてる小説家の文を 見ていると、こんな単語も漢字にしないのか、と思うことがある。だが実際、それはとても目にやさしい。でも、 こんな単語を漢字にするのか、というものもあって、結局これは作家のこだわりなんだと、ひとり納得。 そういえば脚本家の橋田寿賀子さんも、これも作家のこだわりか、「作る」という単語をセリフのなかで使わない。 橋田ワールドでは「作る」はすべて「こしらえる」だ。で、「こしらえる」は、漢字で「拵える」。橋田さんの脚本の中では ひらがななのだろうか、漢字なのだろうか。

4月21日(月)
むかし勤めていた学校でプライベートレッスンを担当していた学生から、6年ぶりに電話。 当時はかわいい甘えん坊さんだったのが、突然二児の母になって現れた。改めて勉強したいという話しであるが、 はたしてどのくらい覚えているのやら…。

4月19日(土)
「ありがとうございます」という日本語を外で頻繁に聞く。以前は日本食レストランや日本人がよく行く店などに 限られていたが、最近は思ってもみないところで言われる。昨日は私の自宅の近くにある市場の縫製やさんで 御主人の口から発せられた。日本人はほとんど来ないところだけに驚いた。 ただ、こちらが客の立場のときに、「ありがとう」だけで言われると、「ございます」を付けるよう、つい注意してしまう。 やっかいだなぁ、日本人教師てのも。「ありがとう」という言葉さえ、素直に受けられないんだから。

4月17日(木)
日本語一般クラスのテキストを、開校以来6年間お世話になってきた「日本語初級」から、「みんなの日本語」に 移行することになった。私自身としては「新日本語の基礎」〜「日本語初歩」と続いて4冊目になる。 使用テキストを変えるのはなかなか大変な作業だ。カリキュラムはもちろん、プリントや宿題やテストなど、 すべて作りなおさなければならないからである。それよりもっと大変なのは、クラス調整。すでに旧テキストでスタートした クラスは、既習学習項目が微妙に異なってくるので、あくまでもその本を終わらせねばならない。 それに、学生たちに学校の都合でテキストを二重に買ってもらうのもしのびない。となると、同じ一般クラスなのに、 教師たちはクラスによって2タイプのテキストを使い分けていかねばならなくなる。 テキスト切り替えが決定する直前に、旧テキストでスタートしたクラスがその本をすべて終えるのは、 予定では来年の半ば。先生たち、面倒ですがよろしくお願いします。

4月15日(火)
JCC2の図書コーナーの整理をしていて、前から気になっていた図書コーナー横の階段下デッドスペースを これを機になんとかしようということになった。子供用の絵本を置くスペースが足りないこともあり、ならば このスペースに床板を敷きクッションを置き、子供が寝転んで本を読める場所にしたらどうかという ことになった。さっそく以前フィットネスルームの床のために買って余っていたフロアボードを敷き詰め、 スーパーで買ってきたクッションを置き、ライトを設置して、「こどもの部屋」 のできあがり。さてさて、子供たちの お気に入りの場所になってくれるかな。

4月14日(月)
JCCには、語学センター、文化センターともに小さいながらライブラリーがある。日本へ本帰国される 方々から寄付していただいた本を収めたものだが、最近改めて見なおして驚き。けっこうな数になっている。 これは自慢の図書コーナーと言ってもいいだろう。ただ、整理がされてないのでさがしにくいのが欠点だった。 が! そこに強い味方が。 先週着任した浅田先生は図書館司書の資格をもっていらっしゃると言う。図書コーナーを見て目をらんらんと 輝かせる浅田先生とさっそく図書整理を始める。そういえば、去年ビデオライブラリーの整理をしたあと、借りる かたががぜん増えたけど、今回の一大整理で本のほうもたくさんのかたが利用してくださるようになったらうれしい。

4月11日(金)
JICAのシニアボランティアインドネシア語語学研修プログラムが今年もスタートした。4月期は10名のかたが、 3週間毎日4時間インドネシア語を勉強される。毎回、きついスケジュールにもかかわらず、最後はかなりの成績を 残されて各地に赴任される皆さんを見て、私ももう一度インドネシア語をきちんと勉強し直したいと痛切に思うが、 これも、日々の仕事に追われて今だ叶わず。

4月10日(木)
今年度の新しい日本人の先生が、昨晩名古屋から到着された。浅田しずか先生。 いわく、「初めてだらけなんです」の詳細は、初めての親元を離れてのひとり暮らし、初めての日本語教師としての 勤務、初めての海外生活、そして初めてのインドネシア。ゆえにインドネシア語はゼロ。さっそく来週から始まる インドネシア語入門クラスに入っていただくことに。語学を教えるかたわら語学を学ぶ…この経験を生かして 語学クラスの全体の流れや形をつかんでいただければと思う。一年間よろしくお願いいたします。

4月9日(水)
インドネシア語のプレースメントテスト用聴解テープを教師5人で作成。15分のテープを大騒ぎしながら1時間半かけて作る。 日本語教材と違ってインドネシア語学習のための教材はまだまだ種類も数も少ない。将来JCCで インドネシア語学習のための出版物を…と、夢を抱いてすでに3年。日々の仕事に追われて今だ叶わず。

4月7日(月)
最近韓国料理店によく行く。びしっとした味付けが、インドネシアのだらだらした気候でなまってしまった 体にカツ!を入れてくれる。思い起こせばはじめて本格的韓国料理の店に入ったのは、仕事で釜山に行ったときだった。 庶民的な店に入ってメニューを頼んだら、いきなり壁を指さされた。そのさされた先にはハングル文字で書かれた お品書きがズラリ。まいりました! 結局、人の食べているものを指さして注文するしかなかったのだが、 きっと日本に来た外国人もそうなんだろうなぁ。

4月4日(金)
朝、メールを開いてびっくり。フィリピンの田舎の島でコテージ村をやっている友人から初メール。 すごい田舎で、電気も去年ようやく時間制で通ったところ。電話はたしかないはずだが、「わけを話すと長くなります が、とにかくメール通信ができるようになりました」。フィリピンがずっと近く感じる。すごい世の中になった。 昔はメールなんて、ふん! ファクスで充分だわ、ふんふん!! 手書きが一番よ、ふんふんふん!!! なんて 言ってたけど、郵便事情の不確かな国にいるものにとって、メールはとても頼りになる。

4月3日(木)
日本から桜満開のニュース続々。見たいなぁ、桜。最近、自分の人生であと何回ぐらい桜が見られるの だろうとよく思う。桜の時季を選んで日本に通うでもしない限り、それはかなりむずかしい。…と、いつのまにか 残り時間でものごとを見るようになっている自分。たそがれるにはまだ早い。

4月1日(火)
インドネシア語技能検定試験の願書受付スタート!  ついに来たという感じで少々緊張の日であった。 日本インドネシア語検定協会の近藤由美会長にお話をいただいてから、はや半年。 このような形でインドネシア語技能検定試験のお手伝いできるとは、日本人の方のためのインドネシア語学校と して、この上もない喜び。これから1ヶ月半、願書の受付、そのあとは7月20日の試験当日の業務。 JCCの総力を結集して、やるぞーーー!